昭和、という年号を聴くと、もうブワーッとあれやこれやと思い出が蘇ってきて、教科書に載っていることなどほんの一部だ、という気がしてしまいます。
で、今日は「太平洋戦争突入!」というたいへんに勇ましい授業をやる予定だったのですが、
冷静な女子の一言から、わたしが予定していた講談師か?宝井馬琴なのか?と、みまごうばかりの歴史講談【いざゆけや真珠湾と悲運のガダルカナル】は、おじゃんになってしまいました。
つまり、なんで太平洋戦争になるのか、ちょっと何言ってるのかよく分からない、というのです。
その子にとっては、日清戦争もよく分からないし、日露戦争もよく分からないと。
ただ、「なんで戦争したのか」ということが、いまいち意味不明寮だ、というのです。
クラスには歴史ファンもいるし、歴史読本「戦艦武蔵のすべて」を読破した男子もいるので、そのあたりの女子の疑問については、そんなことは簡単だぜニヤニヤ、と余裕を見せており、そのうちの一人であるGくんは、
「そりゃあ、ロシアだ。コリアをロシアに、そう、コリアをぶんどられてたまるかってことさね」
と質問した女子の頭上ナナメ上、3m先の回答。
おまけにGくんは早口で、コリアをこりゃあ、という感じでいうので、
「そりゃあ、こりゃあ」と聞こえたらしく、女子はぶ然とした表情のまま「まったくわかりません」と動じない。
そこで、クラス全員の総意でもって、本日は日清戦争から太平洋戦争までの復習をすることになってしまった。こんなふうに歴史の授業は遅々として進まないために、卒業間際まで焦ることになってしまう。
わたしは閃いて、もう10分で説明を終わらせようという良くない作戦を思いついた。
それが、「すごろく型歴史授業の進め方」であります。
正月遊びのすごろくのように、でっかい四角いマスを描き、まずその中に、「列強に攻められる不安」と書いた。すべてはここから始まるよ、とおごそかに宣言した。
「いいでしょうか。すべての良くない物語(ストーリー)は、不安から始まるんだね」
みんなノートに記入。1マス目「不安」です。
そして、日清戦争、とつぎのマスを。
「国境を接してるから、韓国を取られたらまずい、と思ったんだね」
当該児童の女の子は、「そこは、はい。納得できます」と言ってくれた。
日本は韓国を自国の強い影響下に置きたい、とねがった。もちろんロシアを牽制するためだ。
しかし、そこに思わぬ伏兵がいて、清の国が難癖をつけてくる。もちろん清からすれば、朝鮮というのは古来からの属国でありますから、みすみす取られるわけにはいかない。で、日本と衝突。
さらに、その流れで今度は親玉のロシアと対決。つぎのマスに、「日露戦争」と書く。
ここにも女子が「まあしかたがない」という表情で納得してくれて進んだ。
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続きます。清の国が滅び、中国が新しい国の建設にごたごたしている隙につけこんだ形での「満州国建設」。
これはもう、日本という国家を一人の人間に例えると、「強迫神経症」という感じであります。ロシアだって、目の前の土地をとられたら不安ですよね。日本が満州を支配したら、その隣国のロシアは烈火のごとく怒ると思うのだが、日本はもうとめどない欲の塊のようになっており、列強に対抗するためにも、生糸の輸出量を増やすためにも、植民地を欲したわけね。
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案の定、その次が「列強及び中華民国の抵抗」。
ここでこんな発問をした。
「世界の主要国から、手を引け、と通告され、地元の国や周囲の国もそれを認めない、というなかなか厳しい情勢です。自分が日本の将来を決める立場だとしたら、手を引きますか?」
すると大半は手を引く、と答えたが、なかに一人、場の空気を読む子がいて
「いえ。ぼくはもうこうなったら、いったんとことんキレてみます!」
じゃあ、キレたことにして進もう。
アメリカを中心にした経済制裁で、鉄も石炭も石油も手に入らなくなった日本は、満州を守ると同時に南進します。インドネシア、マレーなどに進出し、資源をねらいます。
「南進⇒さらなる反対を生む」と板書。子どもたちもノートに記述。
南進の結果、もともとそこらへんを植民地にしていたフランスも日本に対して激怒します。
最初に質問した女子が、
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と冷静につぶやいていたのが印象的でした。
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そこで、ある写真を見せて、これ誰かわかる?というと、たぶん10年前ならクラスの半分は手を挙げたと思われるが、おどろいたことに3人しか知らなかった。
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シンドラーのリストもアンネの日記も、もうあまり話題にならないし、世間的には忘れ去られているのだろうか。あるいは、ネットの一部で「ホロコーストはなかった」と信じる人たちもいるように、ないことになってしまったのかもしれないが、ヒトラーは実在の人物であります。どんどんと無名になっていってますが、少し前までは有名でした。
ヒトラーが最大領土を広げた地図をテレビに映すと、クラス中が「おおお」とどよめく。
ハーケンクロイツがフランスの領土の半分以上をとってしまっているし、スカンジナビア半島にも領土をひろげた形になっている。イギリスなんて周りをとりかこまれた雰囲気で、小さくなって見えるから。
次のマスは、「日独伊三国軍事同盟」
当時のポスターを映して見せます。
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こんなに強い国とタッグを組んだら、アメリカもフランスも日本に文句を言わなくなるかもね。
次が「ハルノート」
満州撤退・日独伊三国同盟の破棄などをアメリカが日本に要求します。
再度、
「自分が日本の将来を決める立場だとしたら、ここで手を引きますか?」
というと、さきほどと同じ展開で、一人を除いて全員が「撤収する」という意見。Tくんだけが
「ぼくは一度だけ、ためしにとことんキレてみたいです」
そこで最後のコマが
「太平洋戦争」
なるほど、とうなずいてくれました。
最初に「よくわからない」と相談してくれた女子が、次の日の日記に書いてくれました。
「今日の歴史はすごろくで書きました。すごく分かり良かったので、次もすごろくで教えてください」。
子どもにとっては、AしたらB、BしたらC、・・・というように、納得して進みたいのだろう。
ことに、「戦争」というような、得体のしれない、なんでか理由もちっともわからん行為には。
素直に納得できるものでもないのでしょう。歴史が好きで、テストも100点連発している子も、実はこのあたりの戦争から、「?」が増えてきます。心理的に納得できない気持ちがあるんでしょう。奈良時代の聖武天皇のように、天災で民が困っているから鎮護国家をねがって大仏建立、というのなら非常に納得できるし、よくわかる感じがする。国家の統率者に対して共感する気持ちも湧いてくる。
でも、戦争の時代、とくに昭和初期は、児童心理的に難しさのある時代なんでしょうね。こころが納得しようとしないのだから。Tくんの一言で、それが納得できたんですね。
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とね。人間が正常じゃなかったんだね。それがぎりぎりの線で、全員の「納得」を引き出した。
どこかの出版社の方がもしこのブログをみてくださっていたら、教師用の本を書きますのでご依頼ください。タイトルは
「小学校歴史授業は「すごろく」でよく分かる!」